アラサー女がたられば言う

たられば女にはなりたくないが

座間市の9人殺害事件って、人間がケモノになった結果。

サイコパスって

いつからか、尊いもののような、憧れのような、

なんだか、特別っていうイメージがついている気がする。

 

それを証明するように

ネット上には信用性のわからないサイコパス診断が溢れている。

 

「もしかして自分ってサイコパスかも。」

 

そんなわけないのに、ドキドキしながら診断をする。

『あなたは一般的な常識人です。』

という診断が出る。

ホッとする反面、どこか残念な気持ちになるのも確かだ。

私もそうだったから。

だよな、一般人だよな。

特別な人間なんかじゃないよな。と

自分がいかに普通か、再確認する。

 

それはたぶん、サイコパスとか

そういった特別なアイデンティティに憧れている自分がいるから。

殺人とか、障害とか、人の痛みとか、ツラさとか、迷惑とか、気持ちとか

他人の事、全く考えずに行動する事なんて

私には出来ないから。

逆に、とても他人を気にしてしまう。

だからこそ内に秘める事が多く、苦しくなる事も多々ある。

サイコパスまではいかなくとも、

平気で自分の意見を言える人、自分の事だけ考えて行動する人、

とにかく思いやりのない自分勝手な人に

嫌悪感と同時に、憧れとういか、羨ましいなとか、

私もそれだけ言えたらなと、いつも思っている。

だから、そういった事にとても興味がある。

 

数年前、テレビでやっていたアニメがある。

サイコパス

まんま。ww

 

これはとても面白くて欠かさず見ていた。

人間がみなコンピューターで支配されていて、

産まれ持った「適正」を、それこそネット診断みたいに診断され

その通りに職に付き、生きていかなければいけない。

それが社会にとって1番合理的で都合がいいから。

人間がコンピューターの管理から外れた異常な精神状態になった時、

その人間は処分される、、、

 

他にも、気づけば私が好きなアニメや漫画、ドラマ、小説は

いつもちょっと闇のあるものばかりだった。

最近読んだ小説で衝撃的だったものがある。

↑これ

 

数年前に起きた、北九州一家殺害事件をモチーフにして書かれている。

 

手に取った時は、それを知らずに、

冒頭から面白そうだったので読んでみる事にした。

読み進めるうちに、グロいのに慣れている私でも

ちょっと胃もたれするような描写があり、

でも文章や表現が面白くなぜか引き込まれていき一気に読破した。

途中で、こんな事件あった気がするなとおもっていたら

参考図書にあの事件の文献があったので納得した。

 

あの事件は、あまりのグロさに

報道規制がかかったらしい。

詳しい事は何一つ世に知らされないまま

いつのまにか私たちの記憶からフェードアウトしていた。

最初はあんなにメディアで連日報道していたのに、、、

 

この小説を読み終わった矢先、

座間市の9人殺害事件が起こった。

 

実際に起きた事実に基づいた

サイコパスの小説を読んでいたせいか、

座間市の事件に対する想像力や興味心が

とても強く感じられた。

 

メディアもこぞって取り上げているし

ああ、また北九州の事件みたいになるのかなと思った。

私は、もちろん一般的な野次馬だ。

サイコパスな事件だ!と、

どこか小説の1ページ目を開いたような

これから明らかになる衝撃的な事実にワクワクしていた。

不謹慎だが、私にとっては現実的ではない。

どこか遠い所で起こっている事。

テレビの中の出来事。

正直そんな感覚だ。

なぜ、9人も2ヶ月で殺せたのか。

なぜ、クーラーボックスに保存していたのか。

どんな心境なのか。

臓器売買なのか。

もっと深い闇があるのか。

なぜ、なぜ、なぜ、、、

興味をそそる事がたくさんある。

 

しかし、時間がたち事実が少しづつ明らかになればなるほど

拍子抜けするような供述しか出てこない。

ネットにあがる噂もそろそろ底をついてきている感じだ。

 

この白石という男は

本当にサイコパスなのか?

 

そう思うようになった。

 

ワイドショーで誰かが言っていた。

 

「この男は根っからサイコパスとか異常者とかそんな類いではない。

ただ、人間でいる事をやめた人間なんだろう。」

 

とてもしっくりきた。

事実かどうかなんてわからない。

白石は本当にサイコパスかもしれない。

異常者であることは間違いないが、

ただただ、この短期間の間だけ

もう何もかもどうでもよくなり

後先考える事も出来ず、せず、

人間をやめて欲望のままの行動をとったんじゃないかと思った。

 

まさにケモノ。

 

私が読んだ小説に通ずるところがあるような気がした。

 

 

人間は理性があるから他の動物とは違う。

この知恵を持ったまま理性をなくしたら、

簡単に人は殺せてしまう。

憎しみ、性欲、物欲、金銭欲、嫉妬、怒り、気分、なんとなく

理由になる事なんて身近に山ほどある。

ライオンが、お腹がすいたから牛を襲うのと一緒。

人間も、獣になったら、

お金が欲しいから、お金を持っている人を襲う。

自然と言えば自然。

でも、「人間」の社会では許されない。

 

 

これから、座間市9人殺害事件がどう明らかになっていくのか。。

もし、報道規制され、世の中はフェードアウトさせたとしても

私はまた誰かが小説にしてくれたときは読んでみたいと思う。

 

ちなみに、『絶歌』のような

犯人が書いた自己陶酔なオナニー自伝なんて糞だ。

 

そうでない、第三者が書くものを見たい。